敷地に充実した庭を持ちたいという夫婦2人暮らしのための計画です。施主はまだ現役ではありますが、リタイア後の生活を考えたときに、居住環境はとても重要なものであり、庭もまた身体面・心理面に大きな影響を与える大事な要素です。

地方の高齢化は深刻化を増すばかりであり、年齢や過疎化による交流の現象、そこからくる生きがいや楽しみの喪失が活動を狭小化させて、閉じこもりなどの状態を招いています。そのため本住宅では、屋外環境として様々な機能や効果を持つ庭と住宅を強く結びつけることを念頭に置き、庭を通して家族だけでなく近隣とも喜びを共有することのできる暮らしを目指し設計をしました。また、プライバシー保護や防犯が求められる昨今、閉ざされた住宅は地域との繋がりを希薄なものとし、居住者の孤独を招きます。

そのため、庭に面した室に大開口を設け住宅を開放することで、そのような問題も解決する住宅としました。